近況とか

報告が遅れましたが夏コミ受かりました。7月中旬まで現在進行形で多忙なため、出す本についてはそれ以降にあらためてここに詳細を書く予定です。下手するとサークルカットに書いた内容と変わるかもしれないので。


せっかくなので最近思ったことなど。

小学校低学年の甥っ子たちがDSのポケモンをプレイしているのを見て、ポケモンがプレイできるならTRPGもプレイできるのではと思いついたのがことの始まり。ポケモンをつれた少年少女の冒険…、『ピーカーブー』のイノセントとスプーキーでそれっぽいのができるかも。シナリオは劇場版みたいに幻のポケモンならぬ幻のオバケ、オバケ屋敷は○○ランドとかそんな感じで…。うん、いけるかも!
まぁ、結果から言うとプレイまで至りませんでした。というのもリサーチとして小学生でもできそうな現代を舞台にしたRPGソフトをいくつかさわらせてみたのですが、うまくプレイできなかった。それでTRPGはまだ無理だなぁと思い直した次第。
与えたRPGソフトのストーリーは「普通の少年の身近で小さな事件がおき、それに首をつっこんでいったことにより世界を揺るがす大きな事件にかかわっていくことになってしまう。」というもの。
どこで挫折したのか。それは、ゲームの冒頭で小さな事件がおきるのですが、事件に首を突っこもうとしない。というか何をしてよいかわからない様子。誘導をしてみても事件に対する行動の選択が多い*1ので露骨な誘導以外は全部スルー。選択肢が多いなら総当たりだ、という発想はないみたい。微妙に小賢しいな。
甥っ子たちとその後しばらく話していてわかったのですが、ポケモンだと「ポケモンを育ててポケモンリーグでチャンピオンになる。」という目的がプレイ前からわかり、手段もポケモンを育てると明確にわかっている。つまりポケモンができるならRPGができるという私の認識が誤りだったわけで、彼らは単にポケモンの世界ルールがわかっているだけだったのですね。
目的の方はシナリオで最初に設定すればなんとかなるとしても、手段を考えられないのはきつい。D&Dでも無理だろう。行動が明確に選択制になっているもの…となるとそれはどちらかというとボードゲームゲームブックの範疇。
とりあえずテキストで行動を選択するアドベンチャーゲームか、ロールプレイ要素のあるボードゲームを次は試してみようと思っています。


…ところで話はそれますが、昔は「いかに女性をRPGを誘うか?」みたいな談義がありカップルでプレイできるRPGとして『ウィッチクエスト』があげられたりしていたわけです。そして、現在その『ウィッチクエスト』を出した冒険企画局から、子供と遊べる『ピーカーブー』がでているということに時代の流れというか正常な進化を感じるのは私だけでしょうか。
そのように考えると自分の子供でなく、甥っ子と遊んでいる自分が痛く感じられてならない今日この頃。

*1:ゲームソフトなうえ序盤だから本当は多くないのだが。

動画『The Hunt for Gollum』(ゴクリ狩り)

The Hunt for Gollum - なんにもない世界の足音

海外のトールキンファンが作った40分もある自主制作ムービー。アラゴルンによるゴクリの探索行の話です。先日書いたFFG社のボードゲームの舞台と同じ時期のストーリーで、原作ではエルロンドの御前会議でのアラゴルンの台詞で触れられています。*1

本編を見る前はCGであるゴクリをたくさん動かすのは大変だろうなぁと思っていたのですが、そこをうまくやりくりして違和感のない展開にしているのには感心しきり。それにしても原作でアラゴルンはこの旅の後半を「その時のわたしの旅の中でも一番みじめなものでした。」と言っていますが、みじめというかとんでもない災難ですね、これは。

*1:ひょっとしたら『終わらざりし物語』の「指輪狩り」でも触れられているかも。

FFG社が指輪物語の新作ボードゲームのサイトを公開

Fantasy Flight Gamesのサイトに指輪物語の新作ボードゲーム『Middle-Earth Quest』のページができています。発売日は書かれていませんがゲームショップの予約ページを見ると今年の秋頃の模様。 なお、昔でていたI.C.E.の同名のゲームブックシリーズとは関係ありません。

  • ゲームの概要
    • プレイ人数は2〜4人。プレイヤーの1人がサウロンを担当して、残りのプレイヤーはヒーロー側となってサウロン側の計画を阻止する。
    • 舞台は原作と同じ中つ国北西部で、時代はビルボの誕生祝いからフロドの旅立ちまでの間の17年間。
    • ヒーローは小説キャラではなく作成済みのオリジナルのキャラ5種。(ローハンの騎手、ゴンドールの貴族、アルノールの野伏、森エルフ、ドワーフ)。各キャラクターにはそれぞれ特殊能力と専用のカードデッキがある。
    • ヒーロー側はガンダルフの計画を助けるためにゴクリを探したり、イシルドゥアの最期に関する情報を集めたり、モルドールの情報を探ったり、ホビット庄を守ったりする。
    • 戦闘は単純。手札から戦闘に使用するカードを選び、相手と同時にオープンしてダメージを決める。
    • 地域間の移動にカードを消費する。つまり遠くへ移動すると戦闘などが苦しくなる。


 またしてもキャラクターロールのあるボードゲーム。Fantasy Flight Gamesはこのタイプのゲーム好きなのね。でも、指輪物語をベースにしたボードゲームなのに、プレイヤーが小説キャラやどこかの勢力ではなくオリジナルキャラを使用するというのは珍しいかも。ユーザーがキャラを自作できる余地を残してTRPGに近づけようとしているのかな。単に追加キャラ・シナリオ・デッキをだすための布石なのかもしれませんが。

はてなのカラースターを買ってみた

はてなの新サービス。

目安でしかないレアリティよりも、各セットでの色の出現率がわからないとどの箱を買うのが得か判断しにくい。とりあえず55個入りを1箱買ってみた。その内訳は以下の通り。

 緑34個、赤20個、青1個

購入して内訳を書いているサイトをみてみると55個入りの内訳が一番報告多い。緑の個数の振れ幅が大きいので、推測するに青と赤の個数がランダムに決まって緑は残りなのかな。その前提で各報告をまとめてみると

55個入りだと青が1〜4個、赤が12〜20個で多くはその中央くらいの個数。ダイスなら青が2d4÷2個、赤が2d8÷2+11個(端数切り捨て)ってところ?

32個入りはデータが少ないけれど青は1〜2個、赤は8個前後くらい?

10個入りは青がでなくて、赤が0〜2個?

これだと微妙に大きい箱の方が得という可能性もありますね。もっともデータがあまりに少ないので単なる推測でしかありませんが。

でも釣られて1箱買いましたが、私はあまりスター使わないんですよね。1年以上は今回買った箱で足りそうです。

D&Dのフレッシャーズ・キャンペーンをやっているらしいが


『プレイヤーズ・ハンドブック 第4版』を買うとフィギュアがおまけにつくというほうは素直に嬉しいです。
ただ3.5版の『ビギナーズ・セット』を買うとおまけとして4版用のシナリオがつく。もちろん4版のルール(or簡易ルール)を持っていないとそのシナリオはプレイできない、というのはいったい…。

フィギュアを使ったシナリオと書いてあるけれど、¥5000する『ビギナーズ・セット』を買ってみたら、おまけのシナリオは遊べない。じゃあ『ビギナーズ・セット』の簡易ルールから始めて3.5版をこれから遊ぼうとしても3.5版は既に終了した製品で、HJオンラインショップでもAmazonでも揃わない。結局¥5000のセットで後に残るのはフィギュア等の小道具だけ。これでは『ビギナーズ・セット』を買ってしまったフレッシュマンがあまりに不憫なのでは。

『ミストキャッスル』プレイ記録&感想

SW2.0の『ミストキャッスル』を買ってみたらその出来のよさに何かが降りてきたので、「今週末にやろうよ!というか必要人数がすこぶるフレキシブルなので通常の決行人数が揃わなくても今週末やる!」とねじ込んで週末にプレイしました。
GMは私でプレイヤーは4人、プレイヤーは1人を除いてSW2.0は初めて。

このシナリオの舞台はかなり泥臭い場所なのでプレイ前に「カーレやポートブラックサンドみたいなところだよ!」とあらかじめ伝え、『Role&Roll vol.53』の「スピタのコピタの!」に目を通してもらいました。でもSWだからそんな酷いことにはならないだろうと、GMもプレイヤーも思っていましたし、できたパーティーも自称ルーンフォークの執事やタビットといった楽しげな構成でした。


…全滅した。

開始した直後は普通によき冒険者グループを演じていたプレイヤーも身ぐるみはがされたり、スリにあったり、問答無用で監獄へブチこまれたりしてくるとここでは甘ちゃんは生き残れない場所だとわかってきたみたい。というか「こういう場所だとわかっていたらそういうキャラを作ってた。」と言われました。
事前に言ったよ。もっともここまで非道な(<誉め言葉)な展開になるとはGMも思いませんでしたが。ゲームブックで例えるなら「運だめしをせよ。成功すればこの場を無事に離れることができる。失敗したなら君は金貨を全て失う。」くらいの展開は普通にあります。

プレイヤーも途中からは慣れてきたものでドブあさりめいたことも抵抗なく行ってくれるようになりました。「このシナリオは『ウォーハンマー』でやりたい。」という意見が途中で何回もでてくるのもむべなるかな。私も半分同意。SWの世界にあわせて設定してあるはずなのに、他のシステムへ簡単にコンバートできるような作りですし。
でもSW2.0にもけっこう合っているんですよね。例えばSW2.0ではモンスターから獲得できるアイテム表が各モンスターに附記されているのですが、このアイテムがけっこう泥臭い。例えばスケルトンの「頑丈な骨(30G)」やレッドキャップの「赤い髪(10G)」など。今回のプレイでもレッドキャップを倒したときに「こいつの髪は高く売れそうだぜぇ。」と死体から髪をはいでいました。『羅生門』みたい。

冒険の結果は散々でしたが、プレイヤーの反応はかなり良かったです。(「このサプリ買う!」って言ってくれた人も何人かいました。)このシナリオは全滅した後についてもサポートされているので、同じキャラか別のキャラにするかはわかりませんが続きをやるかもしれません。ひょっとしたらシステムを『ウォーハンマー』にしてプレイする可能性もあります。
他のシステムでのプレイについても様々な意見がでました。戦闘が多いのでD&Dでプレイしてみたいという意見や、むしろ戦闘に手間のかからないシステムの方が向いている、ボードゲームくらいコンパクトにするとよい(『タリスマン』がシステム的に近い)など。私もこのシナリオはSWだけに留めるのは惜しいと思います。
最初にシナリオの形式をみたときは『ウィッチクエスト2 エディスと猫のいない街』のストラクチャーカードを思い出したのですが、さすがに『ウィッチクエスト』でこんな泥臭いシナリオはできないよなぁ。

GMとしての反省点。
その1。登場するNPCはよく読み込んで把握しておこう。非道い目にあったプレイヤーは当然ながらやり返そう(or取り返そう)とその背景を探ろうとします。出来事の黒幕なぞ存在しない場合もあるのですが、プレイヤーのやる気を使ってアドリブで適当なNPCを黒幕にすれば展開が煮詰まりかけたときにすこぶる便利です。
その2。各パラグラフの描写をそのまま読み上げるかどうかは臨機応変で変える。各パラグラフにはGMがそのまま読み上げて使える程度の場所の説明文があるのですが、これを読み上げるだけだとプレイヤーの行動がパターン化していく場合があります。

リベンジ(リトライに非ず)はいつやろうかな。


「Gygaxian Fantasy Worlds」シリーズ (2/2)

「Gygaxian Fantasy Worlds」シリーズ (1/2)の続き。

『Gary Gygax's Insidiae』

 この本には『The BrainStormers Guide to Adventure Writing』と副題がついており、その名の通りシナリオ作成の手引き書です。ストーリーの様々な要素を分類し(ex.「敵」「妨害者」「支援者」)、各々について説明と使い方のアドバイスが書かれています。内容は以下のの5章構成になっています。

    • 環境

  冒険者をとりかこむ自然・社会環境について書かれています。社会環境は何処にどのような対立構造があるかということが主眼となっています。

    • 役割

  登場人物が物語上どのような役割を担っているかを味方、競争、敵、妨害、中立、支援者、切り札の7種類にを分類して説明しています。

    • 特徴

 登場人物について設定しておくべきことについて書かれています。

    • プロット

  ストーリーの作り方について「設定から考える」「イベントから作る」「起承転結にあてはめていく」の3つの方法を紹介しています。

    • 冒険の目的

  冒険の目的について様々な例をあげて説明しています。先のプロットでは「村はずれに悪い魔法使いがいてダンジョンを突破して魔法使いを倒すが、帰り道で魔法使いの死によって解放された悪魔と戦うことになる。」といった展開を作る方法が書かれています。これだけでD&Dの昔のモジュールとしては充分なのですが、この章では冒険そのもの目的は何か(村娘が魔法使いにさらわれたので救出に行くなど)を設定する方法について書かれているのです。先のプロットと冒険の目的を別の章にして考えるところがいかにもD&D風味だと思いました。
  巻末にはサンプルとして完成したプロットがいくつかと、ランダムチャート集が載っています。ランダムチャートはダイスを振ればシナリオができるような代物ではないのでほんのおまけ程度に考えた方がよいでしょう。
  この本はシナリオ作成の手引き書としては悪くありませんが、わざわざ英語で読むほどの代物ではないというのが正直な感想です。

『Gary Gygax's Nation Builder』

 この本には『The Geographer's Guide to Setting Creation』と副題がついており、その名の通り1つの国・地域の設定を作るための手引き書です。内容は大きく分けて以下のの3章構成になっています。

    • 国家

  国家の種類、地勢、統治方法について説明しています。

    • 社会

  共同体の種類、社会の要素、経済について書かれています。

    • 文化

  宗教、魔法、技術レベル、伝承について書かれています。

  何とも内容の薄い本です。D&Dの『ダンジョンマスターガイド』の同項の解説部分を内容を増やさずに項目だけ増やしたような感じです。例示も多いのですが、具体的にどのように設定すれば良いのかが読んでいてもわからないのが難点。数字が必要な部分はダイスロールで決めるようにしてあるなどしてあるのですが、いかにも不具合がありそうな場所ができそうな感じです。

『Gary Gygax's Cosmos Builder』

 宇宙を設定するためのSFな本…かと思ったら違いました。これはコスモロジー、つまりフォーゴトンレルムやクリンといったような多くの次元界から構成される世界を作るための本です。新たなコスモロジーや次元界の設定方法について書かれており、次元界のタイプごとに分かれた9章構成となっています。

    • 次元の構造と時空について
    • 物質界
    • 元素界
    • エーテル
    • セレスチャル界
    • 冥界
    • 天上界
    • 渾沌
    • スフィア、ポケットレルム、非空間的な次元

  それぞれについてその役割、特徴、配置、他の次元界と関連性が考えられるかが説明されています。また欄外のコラムなどでは「魔法と次元界の関係」や「新たな次元界のネタだし方法」なども書かれています。

  D&Dの『次元界の書』と比べてみると、細分化されてそれぞれに個性が加えられたD&Dの次元界ではつかみづらくなっている次元界の概要が見えてくるような気がします。例えて言うなら国境と国名の書かれた地図では見えなかったものが、地形だけが書かれた地図で見えてきたような感じというのでしょうか。シリーズの中ではもっとも創作心をかきたてられる本です。


Gygaxian Fantasy Worlds Collector's Pack

Gygaxian Fantasy Worlds Collector's Pack