『ミストキャッスル』プレイ記録&感想

SW2.0の『ミストキャッスル』を買ってみたらその出来のよさに何かが降りてきたので、「今週末にやろうよ!というか必要人数がすこぶるフレキシブルなので通常の決行人数が揃わなくても今週末やる!」とねじ込んで週末にプレイしました。
GMは私でプレイヤーは4人、プレイヤーは1人を除いてSW2.0は初めて。

このシナリオの舞台はかなり泥臭い場所なのでプレイ前に「カーレやポートブラックサンドみたいなところだよ!」とあらかじめ伝え、『Role&Roll vol.53』の「スピタのコピタの!」に目を通してもらいました。でもSWだからそんな酷いことにはならないだろうと、GMもプレイヤーも思っていましたし、できたパーティーも自称ルーンフォークの執事やタビットといった楽しげな構成でした。


…全滅した。

開始した直後は普通によき冒険者グループを演じていたプレイヤーも身ぐるみはがされたり、スリにあったり、問答無用で監獄へブチこまれたりしてくるとここでは甘ちゃんは生き残れない場所だとわかってきたみたい。というか「こういう場所だとわかっていたらそういうキャラを作ってた。」と言われました。
事前に言ったよ。もっともここまで非道な(<誉め言葉)な展開になるとはGMも思いませんでしたが。ゲームブックで例えるなら「運だめしをせよ。成功すればこの場を無事に離れることができる。失敗したなら君は金貨を全て失う。」くらいの展開は普通にあります。

プレイヤーも途中からは慣れてきたものでドブあさりめいたことも抵抗なく行ってくれるようになりました。「このシナリオは『ウォーハンマー』でやりたい。」という意見が途中で何回もでてくるのもむべなるかな。私も半分同意。SWの世界にあわせて設定してあるはずなのに、他のシステムへ簡単にコンバートできるような作りですし。
でもSW2.0にもけっこう合っているんですよね。例えばSW2.0ではモンスターから獲得できるアイテム表が各モンスターに附記されているのですが、このアイテムがけっこう泥臭い。例えばスケルトンの「頑丈な骨(30G)」やレッドキャップの「赤い髪(10G)」など。今回のプレイでもレッドキャップを倒したときに「こいつの髪は高く売れそうだぜぇ。」と死体から髪をはいでいました。『羅生門』みたい。

冒険の結果は散々でしたが、プレイヤーの反応はかなり良かったです。(「このサプリ買う!」って言ってくれた人も何人かいました。)このシナリオは全滅した後についてもサポートされているので、同じキャラか別のキャラにするかはわかりませんが続きをやるかもしれません。ひょっとしたらシステムを『ウォーハンマー』にしてプレイする可能性もあります。
他のシステムでのプレイについても様々な意見がでました。戦闘が多いのでD&Dでプレイしてみたいという意見や、むしろ戦闘に手間のかからないシステムの方が向いている、ボードゲームくらいコンパクトにするとよい(『タリスマン』がシステム的に近い)など。私もこのシナリオはSWだけに留めるのは惜しいと思います。
最初にシナリオの形式をみたときは『ウィッチクエスト2 エディスと猫のいない街』のストラクチャーカードを思い出したのですが、さすがに『ウィッチクエスト』でこんな泥臭いシナリオはできないよなぁ。

GMとしての反省点。
その1。登場するNPCはよく読み込んで把握しておこう。非道い目にあったプレイヤーは当然ながらやり返そう(or取り返そう)とその背景を探ろうとします。出来事の黒幕なぞ存在しない場合もあるのですが、プレイヤーのやる気を使ってアドリブで適当なNPCを黒幕にすれば展開が煮詰まりかけたときにすこぶる便利です。
その2。各パラグラフの描写をそのまま読み上げるかどうかは臨機応変で変える。各パラグラフにはGMがそのまま読み上げて使える程度の場所の説明文があるのですが、これを読み上げるだけだとプレイヤーの行動がパターン化していく場合があります。

リベンジ(リトライに非ず)はいつやろうかな。