『The Children of Hurin』の朗読CD

書店の洋書コーナーを久しぶりにぶらついていたら昨年刊行されたトールキンの新刊『The Children of Hurin』の朗読CDを見かけた。
朗読CDがでること自体は珍しくないのですが、朗読者を見てみたらクリストファー・トールキンとある。
トールキン好きの方には説明不要かと思いますが、クリストファーはJ.R.R.トールキンの息子で父親の作品に関する第一人者。クリストファーが遺稿を整理・整合したものが『シルマリルリオン』や『The Children of Hurin』です。

さて、ファンタジー作品ではしばしば固有名詞の発音について議論がおこりますが、その議論を終息させる1つが作者自身によるインタビューや朗読での発声。(それでも「私にはあの発声はこう聞こえた」と議論が続くこともありますが。)つまりこの作品においてはクリストファーが朗読したものは正しい読みに近いということ。

そんなわけで勢いで思わず買ってしまいそうになったのですが、よく見ると「Preface and Introduction read by Christopher Tolkien」(前書きと序文の朗読:クリストファー・トールキン)とある。
なんだ本編の朗読は別の人かと落胆したのですが、では本編の朗読は誰だろうとよく見てみたところクリストファー・リー*1の名が。なんと豪華な。

けれども逆に豪華な部分が頭を冷まさせたので、とりあえず購入については保留。そもそもクリストファー・トールキンの朗読というところに価値を見いだしたわけで、朗読の大半はそうでないわけですしね。でも、気持ちとしてはかなり欲しいのでそのうち買うかも。

The Children of Hurin

The Children of Hurin

あと購入を思いとどまったもう1つの理由が、前にもやはりトールキンの朗読CDの購入で失敗したことがあるため。
J.R.R.トールキンとクリストファー・トールキンによる朗読は昔からカセットテープで発売されていたのですが、朗読CDという性質と英国のオーディオ事情のせいか、なかなかCD化はされませんでした。私はCD化されたら購入しようと待っていて、やっとCD化されたのが2001年。
ところがそのCDは化粧箱入り限定版の原作本につくおまけだったのです。その時はしょうがないので買いました。英語版の本は既に持っていたのに。(まあ、そのあとCDだけ残して本はオークションで処分したのですが。)
するとしばらくしてそのおまけCDにプラスアルファした内容の4枚組CDがリリースされました…。
その時の反省を活かして今回のCDもとりあえず様子見。

The Tolkien Audio Collection イギリス版

The Tolkien Audio Collection イギリス版

*1:映画版でサルマンを演じた役者。かなりのトールキンマニアでもある。