『Brief History of the World』

長らく絶版だったボードゲームHistory of the World』が、マイナーチェンジのうえRagnar Brothersというメーカーから発売されるそうです。タイトルは『Brief History of the World』(『世界の略史)。

デザイナーズノートをざっと読んでみたところかなり手が入っている様子。

  • コンセプトは「フリークと一般ユーザーのどちらでも楽しめる」「プレイ時間・待ち時間の短縮」*1
  • 1プレイヤーに数種必要な軍隊コマについてはかさばるのをなんとかしたいが、ファミリー層も視野に入れているので今さらハズブロ版のプラスチック駒から紙コマに戻すわけにはいかない。そこで軍隊コマを1種類にし、過去の帝国の軍隊はコマを倒して表すというシンプルな解決法をとった。
  • 国境ラインにある山脈や森、海峡についてはかなり整理した。どちらが内側でどちらが外側かわかりにくかったという点についても見直しをした。
  • エポック(年代)の数を7から6に減らした。主にゲーム中盤に登場する国を削った。エポック1〜3が文明の興隆期、4が暗黒時代、5が大航海時代、6が植民地時代となる。
  • 具体例を挙げるとエポック1からはバビロニアが削られた。そのためエポック2ではアッシリアが最初からチグリス/ユーフラテスを支配している。エポック6では日本が再び帝国扱いとなった。そしてオランダが小帝国イベント扱いとなった。同様の格下げはクメールやチョーラ王国にもおこっている。ゲーム中盤の大変更は神聖ローマ帝国やチムール帝国にも行っており、弱小の帝国や王国の力が強化された。
  • 時間短縮のために地域の数を減らした。それに伴い帝国が持つ軍隊の数も減ることになった。結果としてあちこちで侵略が発生し、展開が派手になった。
  • 侵略のルールも整理された。地形効果は簡単になり、海越えの侵略の有効性が増し、砦の効果は強化された。
  • 例外的な処理を伴う効果が増えた。複数の帝国が同じ場所から発生したり、万里の長城を取り除くなど帝国が個性を持つようになった。
  • ハズブロ版にあったボーナストークンのボーナスについても調整がなされた。

今週末のエッセンの見本市にあわせて発売されるようです。有名なゲームなだけに、どこかのショップかメーカーが輸入してくれるのではないでしょうか。


Board Game Geek - 『Brief History of the World』

*1:以前の版はプレイに4〜5時間くらいかかりましたが、今度のは2〜3時間くらいでプレイできると謳っています。ファミリーを狙うならまだ重い気がしますが。